真空

 心がとても空っぽになってしまって、
 言葉が言葉として浸透してこなくなり、
 イメージがイメージとして沸き立ってきません。

 昨日のクレーはよかったです。

 クレーを見てホッとすることと、精神の弱さはどこか似ているところがある気がします。

 淡々と、作品を矢継ぎ早に出してゆくクレーの心のうちには、どのような荒波がたっていたのでしょうか。

 荒波が己れを削るということにはどのような効果があるでしょう。

 痛手を受けた心が描く作品には、どのような恩寵があるのでしょうか。