真空

心がとても空っぽになってしまって、 言葉が言葉として浸透してこなくなり、 イメージがイメージとして沸き立ってきません。 昨日のクレーはよかったです。 クレーを見てホッとすることと、精神の弱さはどこか似ているところがある気がします。 淡々と、作品…

出会っていると思っていたのは錯覚にすぎず、出会いのような顔をした岩石だった。 上眼目線の世の中が嫌になり、しかし、下眼目線の私は、人の悪意を引っ張り出す原動力となってしまう。 力の威力は偉大でこの威力を知っていながら、これを無視するのは超自…

残酷さはある日突然やってくる。いや潜在的な残酷さが表面化したにすぎない。自分を映す鏡を求める人間の醜悪さが、ごく身近なやさしい気持ちのなかからギョッとするかたちであらわれる。 集団の言語は、集団を離れた直後においても、余韻のように付きまとう…

読んだ本の記憶はきわめて曖昧なものです。そのときの深さを人はどうやって保持しうるのでしょう。このことに対する過信があったから、わたしはカメラを持たずに旅行したり、直観で行動をしてりして、今があるというわけです。 心底突き詰めて書いた文章は、…

ひさびさ

Oくんと一緒にいないと壊れてしまいそうになるのは、 離れていると、仲介するものがなくなってしまうからです。 仲介のない接触は、ひとつになることとは別のことかもしれません。 体調がよくありません。 それでも、S.W.はどうしても発信しなければならんで…

そういえば、タルコフスキーの鏡を観たいと思っていて忘れていた。 最近のわたしは、オッ君を通して、自分が見えてくることが多い。微笑や恐い顔や「見返り美人」やお月様や。 わたしはどこにいるの?/「あなた」と「きみ」のなかにいるの。 、ということは…

今日で、11月も終わり。26日は大変な一日だった。26日は記念日だと勘違いしていて、でもまあせっかくだから外食しようということになって、前に行っておいしかったお好み焼き屋さんに行った。食べた直後にお腹が痛くなった。それから清算をごまかされた。ご…

[世界]

またまた世界は悪意だと落込んでしまう。オッくんと電話でお話して少し落ち着いた。わたしはオッくんのお話を聞いているのがとても好きだ。有名な大学教員やそうした教員を慕う学生にろくな奴はいないと思う。かといって、無名のしみったれた教員や学生もそ…

上野動物園とピカソ展に行く予定だったのだけど、オッくんが風邪でダウンしてしまった。色々疲れがたまったのであろう。もちろん、その大きな原因はあたしにある。と、昨日は、看病のつもりが、ワイン一杯で急に悪寒がして、その後熱くて仕方なく、ずっとレ…

[夢想するネコ語録 yesterday]

「さいきん、ねるとつかれるんだよねえ」 ーーー素直な心情の吐露と青空 「ねえ、キスして!」 「ん〜、すごく大切なものって最後にとっておきたいと思うものじゃない?」 ーーー無意識はとてもねむいのだ ** 10月11日(土) 神社 と アンドロメダ星雲 と 黒…

[一冊の本]

昨日、Oくんと旧図書館に行った折り、偶然、重要な二次文献:Simone Weil et la Grece (Harmattan, 2007)を見つける。Oくんと一緒に行ったときに見つけられてうれしかった。これも一つのGrace=恩寵=優しさ。 夜、久々、Kさん,Sさんと鍋さんとサーヤで飲む。…

[優しさ]

わたしにとって、何かを書くことの発露は、苦の表象であったから、心安らかな日々を送っていると、何も産み出さなくなってしまう。生が若干創造的でありうると、別バージョンでの創造の必要性は、ひとまず、「息を吸う」というレヴェルではなくなってくる。 …

[倫理学会]

なんだかんだいっても10年も入っているこの学会。昨日は、いやいやながら、筑波くんだりまで行ってきた。S.W.つながりのK嬢がパネリスト。嬉しくなった。「おかしい」と思う空気を敏感に感じ取り、吐き気を催し、そこから、言葉が出せる稀有な存在。 会い…

[鉄西区]

王兵「鉄西区」(@東中野ポレポレ)を観る。昨秋圧倒された「中国の記憶」とはまったく異なる素材でありながら、観客を引き込む強度は変わらず、「天才」の二文字を浮かび上がらせた。彼と同時代を生きていることに感謝したい気持ちで一杯になった。 「欲望…

[阿賀に生きる]

佐藤真さんを偲ぶ会から一年が経つ。見たかった処女作『阿賀に生きる』を観る(@アテネ・フランセ)。佐藤さんは、ほんとうに優しい人だと思った。レンズの前に立つ人と被写体との境界が、水彩絵みたいにぼやけてくるまで、じっと待つ寛容さ、そこから生ま…

[空間]

Hゼミの集まりに参加させて頂く。一次会、中目黒のピッツアリア「聖林館」、二次会、Oくん宅。生まれてくる空間ということを考えた。一次会は料理がとても美味しく、お店の雰囲気や味覚からくる幸福感や音響やそうしたものからやはり掛け替えがなくでてくる…

[詩の会]

F塾。今日もなんだかダメな作品ということで終った。現代詩の路線からあたしの書くものは全くはずれているらしい。さすがにこれほど社会性がないとへこむ。その後、奏へ。奏はいつもホッとする空間。F先生のお話拝聴。王兵の「鉄西区」が観たくなった。ドキ…

[授業]

いくら美術系とはいえ、高校生にペトロ・コスタは厳しかったようだ。ドキュメタンリーを観ているだけに、作家の「自分好き」が目についてしまったらしい。しかし、コスタは、感情を映像にするだけでなく、言葉にするのが上手い。倫理は、学者に語らせるより…

病院デート3回目。というよりデートはいつも病院。元気なときは一人で立ってられる。弱っているときに側に居てくれる人がいる。氷った心に差し伸べられる暖かい手。矛盾が優しい顔をして坐っている。可笑しみ。